量子ゆらぎ電流による1分子識別

電流計測から得られるノイズ解析の手法により、電極に接続されている1分子の識別に世界で初めて成功しました。一般的に、電流計測で得られるノイズは計測対象の特性を不明瞭にするため、電流ノイズは除去される邪魔者となります。しかし、ナノスケールの電極間距離を持つナノギャップ電極に1分子が接合された1分子接合で得られる電流ノイズに、分子の種類を識別する情報が隠れていることを発見し、電流ノイズから1分子を識別する情報を取り出すことに成功しました。

本手法は、電気計測による新しい1分子解析技術の新原理となり、1分子センサーデバイスや1分子デバイスの診断技術への応用が期待されます。電気計測による1分子解析技術は、ウイルスやDNAなどの生体分子を超高速・超低コスト・超ハイスループットで検出・識別を実現する高いポテンシャルを持っており、安心・安全・健康社会を実現する新技術として期待されています。

 

 

図. 1分子接合の模式図.

文献 Nature Communications 1:138 doi: 10.1038/ncomms1141 (2010).

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